ギリギリ人生記

セクソロジストのたまごがおくる、ヨーロッパ生活、留学、性教育など

公認心理師 区分Cで受験資格申請してみた

2026年現在、某国立大学で博士生をやっている知春です。

 

ネットを見渡した限り、

「 外国の心理学修士号 + 外国の心理士資格をもっている立場で、
  公認心理師の受験資格を区分C扱いで申請したゾ 」

という人の経験記録が見つからなかったので、記事にすることにしました。

随時更新していこうと思います。



執筆者の立場

✔️ イタリアの国立大学院卒。
  2年間のコースを経て、心理学修士号を2026年に取得。
  (在籍期間自体は、卒業時期を延ばしたので2.5年間)

✔️    イタリアの心理士国家資格を卒業と同時に取得。

✔️    在籍中に心理臨床研究所でのインターンシップを経験(1年間)。

 

申請に際してやらなきゃいけなかったこと

前段階:
- 受験資格認定 しくみの理解と、自分が申請できる区分の確認 
- 次回の申請可能時期を確認 (公式サイト)
- 申請時期、必要書類、必要手続き(書類翻訳など)の情報をリスト化してまとめる

1. 厚労省が示している、必要書類を全て揃える
 例:大学院の修了証書の写し
   大学院の成績証明書
   大学院の課程修了相当の外国の心理職の資格証などの写し
   大学院の入学資格 および 教育年限を明らかにしたパンフレットなど
   履修当時の履修専門科目の内容 および 時間数を明らかにしたシラバスなど
   大学院課程修了相当の外国の心理職の資格に関する根拠法令・取得要件など
   住民票の写し

2. 上記書類の一部を、現地語や英語から日本語に翻訳する
 ※ 英語以外で書かれた文章は、日本国内に法人を置く業者による翻訳と
  翻訳証明書の発行が必要。つまり、フリーランサーの利用原則不可。
  フリーランサーが法人と協働もしていて、
  法人名義で翻訳証明書がもらえる場合は利用可。
  英語の文章の場合、自分で翻訳してもいいが、精度の高い翻訳が求められる。
  つまり、機械翻訳につっこんでそのまま提出するのは推奨されない。

3. 求められている書類を作成する
 例:公認心理師試験受験資格認定願
   履歴書
   外国の大学院の履修(見込)専門科目の内容確認表

4. 申請期限までに、厚労省の担当にメールで提出
 ※ 上記の書類は全て、指定されたファイル形式とファイル名に変更し提出する。
  不備などがある場合は、追って担当から連絡がくる。

 

いかんせん、準備する書類やタスク量が多いため、まーー混乱します。
そのため、前段階としてそれらを一元化したリストを作るのがおすすめ。

 

私は、タスクリスト作成〜提出まで2ヶ月間かかりました。
つまり、6月頭に動きはじめて、提出したのが8月頭。


ぶち当たった課題、疑問と解決

Q1. 大学院の入学資格における修業年限が、厚労省が求めてる16年以上じゃないんだけど?
イタリアでは、修士課程への入学要件、つまり修士以前の修業期間が15年と、厚労省の求めているものより1年短かった。どうなっちゃうの〜

A1. 15年である法的根拠や理由を示ればOK。
イタリア以外にも、16年に満たない国はあるので、勘案してくれるようだ。
その分、法的文書を探してひっぱってきたり、翻訳したりしてコストは嵩むが。

Q2. 資格証などご大層なものはなくて、資格が修了証に併記されているだけなんだけど?

A2. 公的な書類で、かつ大学院の課程修了相当であると分かりさえすれば問題なさそう。
一応、日本の住民票を抜き、イタリアで居住許可証をもらい、
イタリア・ローマの地域心理士会に申請をすれば、しっかりした外見の資格証は
発行できたようだけれど、修了証などに法的根拠などと一緒に併記されていればOKだった。

Q3. 翻訳費用がばかにならないくらい高いんだけど?
数ページの翻訳+翻訳証明書の発行を依頼したら、見積もりで10万円に迫る勢い。
特に法的文書翻訳は、殊更の専門性と丁寧さが求められるので、高くつく傾向。

A3. 相見積もりなどで安く抑えられる可能性

複数業者に声をかけて、相見積もりをとり、交渉次第で安くすることもできる。
あとは、できる限り翻訳する内容を厳選して圧縮したり、
フリーランサーの利用+法人名義での翻訳証明書発行ができる場合は利用したり。
こうした対応を可能にするためにも、申請期限に余裕をもって準備するのが吉。

 

申請後の流れ、結果待ち

<今後更新予定>

やってみた感想

正直、先行事例も周りで見たことがないですし、
準備する書類や、提出に際する確認事項が多すぎて、かなりストレスでした…笑

また、金銭的な負担も大きいため(私の場合、翻訳費+書類発行で7,8万円くらい)、
何回もできるものではないし、誰でも思い切れるものではないかな…と思います。

しかしながら、やはり公認心理師資格があるのとないのでは、
日本では臨床の職につけるかどうかが大きく変わりますし、
その先の臨床心理士資格取得(2年間以上の臨床経験が必要)にも近づけるので、
私のような立場ならやった方がマーケットでの需要は上がると思います。

外国語ができても、心理学の修士を持っていても、多少の臨床経験があっても、
やはり資格の有無だけでふるいにかけられてしまうことが多いので…


負担は大きいですが、かじりついていきたいと思います。
何か疑問があったら、厚労省の担当メールは数日で返信がくるので、気軽に聞けます。

公認心理師 区分Cで受験資格申請してみた

2026年現在、某国立大学で博士生をやっている知春です。

 

ネットを見渡した限り、

「 外国の心理学修士号 + 外国の心理士資格をもっている立場で、
  公認心理師の受験資格を区分C扱いで申請したゾ 」

という人の経験記録が見つからなかったので、記事にすることにしました。

随時更新していこうと思います。



執筆者の立場

✔️ イタリアの国立大学院卒。
  2年間のコースを経て、心理学修士号を2026年に取得。
  (在籍期間自体は、卒業時期を延ばしたので2.5年間)

✔️    イタリアの心理士国家資格を卒業と同時に取得。

✔️    在籍中に心理臨床研究所でのインターンシップを経験(1年間)。

 

申請に際してやらなきゃいけなかったこと

前段階:
- 受験資格認定 しくみの理解と、自分が申請できる区分の確認 
- 次回の申請可能時期を確認 (公式サイト)
- 申請時期、必要書類、必要手続き(書類翻訳など)の情報をリスト化してまとめる

1. 厚労省が示している、必要書類を全て揃える
 例:大学院の修了証書の写し
   大学院の成績証明書
   大学院の課程修了相当の外国の心理職の資格証などの写し
   大学院の入学資格 および 教育年限を明らかにしたパンフレットなど
   履修当時の履修専門科目の内容 および 時間数を明らかにしたシラバスなど
   大学院課程修了相当の外国の心理職の資格に関する根拠法令・取得要件など
   住民票の写し

2. 上記書類の一部を、現地語や英語から日本語に翻訳する
 ※ 英語以外で書かれた文章は、日本国内に法人を置く業者による翻訳と
  翻訳証明書の発行が必要。つまり、フリーランサーの利用原則不可。
  フリーランサーが法人と協働もしていて、
  法人名義で翻訳証明書がもらえる場合は利用可。
  英語の文章の場合、自分で翻訳してもいいが、精度の高い翻訳が求められる。
  つまり、機械翻訳につっこんでそのまま提出するのは推奨されない。

3. 求められている書類を作成する
 例:公認心理師試験受験資格認定願
   履歴書
   外国の大学院の履修(見込)専門科目の内容確認表

4. 申請期限までに、厚労省の担当にメールで提出
 ※ 上記の書類は全て、指定されたファイル形式とファイル名に変更し提出する。
  不備などがある場合は、追って担当から連絡がくる。

 

いかんせん、準備する書類やタスク量が多いため、まーー混乱します。
そのため、前段階としてそれらを一元化したリストを作るのがおすすめ。

 

私は、タスクリスト作成〜提出まで2ヶ月間かかりました。
つまり、6月頭に動きはじめて、提出したのが8月頭。


ぶち当たった課題、疑問と解決

Q1. 大学院の入学資格における修業年限が、厚労省が求めてる16年以上じゃないんだけど?
イタリアでは、修士課程への入学要件、つまり修士以前の修業期間が15年と、厚労省の求めているものより1年短かった。どうなっちゃうの〜

A1. 15年である法的根拠や理由を示ればOK。
イタリア以外にも、16年に満たない国はあるので、勘案してくれるようだ。
その分、法的文書を探してひっぱってきたり、翻訳したりしてコストは嵩むが。

Q2. 資格証などご大層なものはなくて、資格が修了証に併記されているだけなんだけど?

A2. 公的な書類で、かつ大学院の課程修了相当であると分かりさえすれば問題なさそう。
一応、日本の住民票を抜き、イタリアで居住許可証をもらい、
イタリア・ローマの地域心理士会に申請をすれば、しっかりした外見の資格証は
発行できたようだけれど、修了証などに法的根拠などと一緒に併記されていればOKだった。

Q3. 翻訳費用がばかにならないくらい高いんだけど?
数ページの翻訳+翻訳証明書の発行を依頼したら、見積もりで10万円に迫る勢い。
特に法的文書翻訳は、殊更の専門性と丁寧さが求められるので、高くつく傾向。

A3. 相見積もりなどで安く抑えられる可能性

複数業者に声をかけて、相見積もりをとり、交渉次第で安くすることもできる。
あとは、できる限り翻訳する内容を厳選して圧縮したり、
フリーランサーの利用+法人名義での翻訳証明書発行ができる場合は利用したり。
こうした対応を可能にするためにも、申請期限に余裕をもって準備するのが吉。

 

申請後の流れ、結果待ち

<今後更新予定>

公認心理師 区分Cで受験資格申請してみた

2026年現在、某国立大学で博士生をやっている知春です。

 

ネットを見渡した限り、

「 外国の心理学修士号+外国の心理士資格をもっている立場で、
  公認心理師の受験資格を区分C扱いで申請したゾ 」

という人の経験記録が見つからなかったので、記事にすることにしました。

随時更新していこうと思います。



執筆者の立場

✔️ イタリアの国立大学院卒。
  2年間のコースを経て、心理学修士号を2026年に取得。
  (在籍期間自体は、卒業時期を延ばしたので2.5年間)

✔️    イタリアの心理士国家資格を卒業と同時に取得。

✔️    在籍中に心理臨床研究所でのインターンシップを経験(1年間)。

 

申請に際してやらなきゃいけなかったこと

前段階:
- 受験資格認定 しくみの理解と、自分が申請できる区分の確認 
- 次回の申請可能時期を確認 (公式サイト)
- 申請時期、必要書類、必要手続き(書類翻訳など)の情報をリスト化してまとめる

1. 厚労省が示している、必要書類を全て揃える
 例:大学院の修了証書の写し
   大学院の成績証明書
   大学院の課程修了相当の外国の心理職の資格証などの写し
   大学院の入学資格 および 教育年限を明らかにしたパンフレットなど
   履修当時の履修専門科目の内容 および 時間数を明らかにしたシラバスなど
   大学院課程修了相当の外国の心理職の資格に関する根拠法令・取得要件など
   住民票の写し

2. 上記書類の一部を、現地語や英語から日本語に翻訳する
 ※ 英語以外で書かれた文章は、日本国内に法人を置く業者による翻訳と
  翻訳証明書の発行が必要。つまり、フリーランサーの利用原則不可。
  フリーランサーが法人と協働もしていて、
  法人名義で翻訳証明書がもらえる場合は利用可。
  英語の文章の場合、自分で翻訳してもいいが、精度の高い翻訳が求められる。
  つまり、機械翻訳につっこんでそのまま提出するのは推奨されない。

3. 求められている書類を作成する
 例:公認心理師試験受験資格認定願
   履歴書
   外国の大学院の履修(見込)専門科目の内容確認表

4. 申請期限までに、厚労省の担当にメールで提出
 ※ 上記の書類は全て、指定されたファイル形式とファイル名に変更し提出する。
  不備などがある場合は、追って担当から連絡がくる。

 

いかんせん、準備する書類やタスク量が多いため、まーー混乱します。
そのため、前段階としてそれらを一元化したリストを作るのがおすすめ。

 

私は、タスクリスト作成〜提出まで2ヶ月間かかりました。
つまり、6月頭に動きはじめて、提出したのが8月頭。


ぶち当たった課題、疑問と解決

Q1. 大学院の入学資格における修業年限が、厚労省が求めてる16年以上じゃないんだけど?
イタリアでは、修士課程への入学要件、つまり修士以前の修業期間が15年と、厚労省の求めているものより1年短かった。どうなっちゃうの〜

A1. 15年である法的根拠や理由を示ればOK。
イタリア以外にも、16年に満たない国はあるので、勘案してくれるようだ。
その分、法的文書を探してひっぱってきたり、翻訳したりしてコストは嵩むが。

Q2. 資格証などご大層なものはなくて、資格が修了証に併記されているだけなんだけど?

A2. 公的な書類で、かつ大学院の課程修了相当であると分かりさえすれば問題なさそう。
一応、日本の住民票を抜き、イタリアで居住許可証をもらい、
イタリア・ローマの地域心理士会に申請をすれば、しっかりした外見の資格証は
発行できたようだけれど、修了証などに法的根拠などと一緒に併記されていればOKだった。

Q3. 翻訳費用がばかにならないくらい高いんだけど?
数ページの翻訳+翻訳証明書の発行を依頼したら、見積もりで10万円に迫る勢い。
特に法的文書翻訳は、殊更の専門性と丁寧さが求められるので、高くつく傾向。

A3. 相見積もりなどで安く抑えられる可能性

複数業者に声をかけて、相見積もりをとり、交渉次第で安くすることもできる。
あとは、できる限り翻訳する内容を厳選して圧縮したり、
フリーランサーの利用+法人名義での翻訳証明書発行ができる場合は利用したり。
こうした対応を可能にするためにも、申請期限に余裕をもって準備するのが吉。

 

申請後の流れ、結果待ち

<今後更新予定>

公認心理師 区分Cで受験資格申請してみた

2026年現在、某国立大学で博士生をやっている知春です。

 

ネットを見渡した限り、

「外国の心理学修士号+外国の心理士資格をもっている立場で、
公認心理師の受験資格を区分C扱いで申請したゾ」

という人の経験記録が見つからなかったので、記事にすることにしました。

随時更新していこうと思います。



執筆者の立場

✔️ イタリアの国立大学院卒。
  2年間のコースを経て、心理学修士号を2026年に取得。
  (在籍期間自体は、卒業時期を延ばしたので2.5年間)

✔️    イタリアの心理士国家資格を卒業と同時に取得。

✔️    在籍中に心理臨床研究所でのインターンシップを経験(1年間)。

 

申請に際してやらなきゃいけなかったこと

前段階:
- 受験資格認定 しくみの理解と、自分が申請できる区分の確認 
- 次回の申請可能時期を確認 (公式サイト)
- 申請時期、必要書類、必要手続き(書類翻訳など)の情報をリスト化してまとめる

1. 厚労省が示している、必要書類を全て揃える
 例:大学院の修了証書の写し
   大学院の成績証明書
   大学院の課程修了相当の外国の心理職の資格証などの写し
   大学院の入学資格 および 教育年限を明らかにしたパンフレットなど
   履修当時の履修専門科目の内容 および 時間数を明らかにしたシラバスなど
   大学院課程修了相当の外国の心理職の資格に関する根拠法令・取得要件など
   住民票の写し

2. 上記書類の一部を、現地語や英語から日本語に翻訳する
 ※ 英語以外で書かれた文章は、日本国内に法人を置く業者による翻訳と
  翻訳証明書の発行が必要。つまり、フリーランサーの利用原則不可。
  フリーランサーが法人と協働もしていて、
  法人名義で翻訳証明書がもらえる場合は利用可。
  英語の文章の場合、自分で翻訳してもいいが、精度の高い翻訳が求められる。
  つまり、機械翻訳につっこんでそのまま提出するのは推奨されない。

3. 求められている書類を作成する
 例:公認心理師試験受験資格認定願
   履歴書
   外国の大学院の履修(見込)専門科目の内容確認表

4. 申請期限までに、厚労省の担当にメールで提出
 ※ 上記の書類は全て、指定されたファイル形式とファイル名に変更し提出する。
  不備などがある場合は、追って担当から連絡がくる。

 

いかんせん、準備する書類やタスク量が多いため、まーー混乱します。
そのため、前段階としてそれらを一元化したリストを作るのがおすすめ。

 

私は、タスクリスト作成〜提出まで2ヶ月間かかりました。
つまり、6月頭に動きはじめて、提出したのが8月頭。


ぶち当たった課題、疑問と解決

Q1. 大学院の入学資格における修業年限が、厚労省が求めてる16年以上じゃないんだけど?
イタリアでは、修士課程への入学要件、つまり修士以前の修業期間が15年と、厚労省の求めているものより1年短かった。どうなっちゃうの〜

A1. 15年である法的根拠や理由を示ればOK。
イタリア以外にも、16年に満たない国はあるので、勘案してくれるようだ。
その分、法的文書を探してひっぱってきたり、翻訳したりしてコストは嵩むが。

Q2. 資格証などご大層なものはなくて、資格が修了証に併記されているだけなんだけど?

A2. 公的な書類で、かつ大学院の課程修了相当であると分かりさえすれば問題なさそう。
一応、日本の住民票を抜き、イタリアで居住許可証をもらい、
イタリア・ローマの地域心理士会に申請をすれば、しっかりした外見の資格証は
発行できたようだけれど、修了証などに法的根拠などと一緒に併記されていればOKだった。

Q3. 翻訳費用がばかにならないくらい高いんだけど?
数ページの翻訳+翻訳証明書の発行を依頼したら、見積もりで10万円に迫る勢い。
特に法的文書翻訳は、殊更の専門性と丁寧さが求められるので、高くつく傾向。

A3. 相見積もりなどで安く抑えられる可能性

複数業者に声をかけて、相見積もりをとり、交渉次第で安くすることもできる。
あとは、できる限り翻訳する内容を厳選して圧縮したり、
フリーランサーの利用+法人名義での翻訳証明書発行ができる場合は利用したり。
こうした対応を可能にするためにも、申請期限に余裕をもって準備するのが吉。

 

申請後の流れ、結果待ち

<今後更新予定>

公認心理師 区分Cで受験資格申請してみた

2026年現在、某国立大学で博士生をやっている知春です。

 

ネットを見渡した限り、

「外国の心理学修士号+外国の心理士資格をもっている立場で、
公認心理師の受験資格を区分C扱いで申請したゾ」

という人の経験記録が見つからなかったので、記事にすることにしました。

随時更新していこうと思います。



執筆者の立場

✔️ イタリアの国立大学院卒。
  2年間のコースを経て、心理学修士号を2026年に取得。
  (在籍期間自体は、卒業時期を延ばしたので2.5年間)

✔️    イタリアの心理士国家資格を卒業と同時に取得。

✔️    在籍中に心理臨床研究所でのインターンシップを経験(1年間)。

 

申請に際してやらなきゃいけなかったこと

前段階:
- 受験資格認定 しくみの理解と、自分が申請できる区分の確認 
- 次回の申請可能時期を確認 (公式サイト)
- 申請時期、必要書類、必要手続き(書類翻訳など)の情報をリスト化してまとめる

1. 厚労省が示している、必要書類を全て揃える
 例:大学院の修了証書の写し
   大学院の成績証明書
   大学院の課程修了相当の外国の心理職の資格証などの写し
   大学院の入学資格 および 教育年限を明らかにしたパンフレットなど
   履修当時の履修専門科目の内容 および 時間数を明らかにしたシラバスなど
   大学院課程修了相当の外国の心理職の資格に関する根拠法令・取得要件など
   住民票の写し

2. 上記書類の一部を、現地語や英語から日本語に翻訳する
 ※ 英語以外で書かれた文章は、日本国内に法人を置く業者による翻訳と
  翻訳証明書の発行が必要。つまり、フリーランサーの利用原則不可。
  フリーランサーが法人と協働もしていて、
  法人名義で翻訳証明書がもらえる場合は利用可。
  英語の文章の場合、自分で翻訳してもいいが、精度の高い翻訳が求められる。
  つまり、機械翻訳につっこんでそのまま提出するのは推奨されない。

3. 求められている書類を作成する
 例:公認心理師試験受験資格認定願
   履歴書
   外国の大学院の履修(見込)専門科目の内容確認表

4. 申請期限までに、厚労省の担当にメールで提出
 ※ 上記の書類は全て、指定されたファイル形式とファイル名に変更し提出する。
  不備などがある場合は、追って担当から連絡がくる。

 

いかんせん、準備する書類やタスク量が多いため、まーー混乱します。
そのため、前段階としてそれらを一元化したリストを作るのがおすすめ。

 

私は、タスクリスト作成〜提出まで2ヶ月間かかりました。
つまり、6月頭に動きはじめて、提出したのが8月頭。


ぶち当たった課題、疑問と解決

Q1. 大学院の入学資格における修業年限が、厚労省が求めてる16年以上じゃないんだけど?
イタリアでは、修士課程への入学要件、つまり修士以前の修業期間が15年と、厚労省の求めているものより1年短かった。どうなっちゃうの〜

A1. 15年である法的根拠や理由を示ればOK。
イタリア以外にも、16年に満たない国はあるので、勘案してくれるようだ。
その分、法的文書を探してひっぱってきたり、翻訳したりしてコストは嵩むが。

Q2. 資格証などご大層なものはなくて、資格が修了証に併記されているだけなんだけど?

A2. 公的な書類で、かつ大学院の課程修了相当であると分かりさえすれば問題なさそう。
一応、日本の住民票を抜き、イタリアで居住許可証をもらい、
イタリア・ローマの地域心理士会に申請をすれば、しっかりした外見の資格証は
発行できたようだけれど、修了証などに法的根拠などと一緒に併記されていればOKだった。

Q3. 翻訳費用がばかにならないくらい高いんだけど?
数ページの翻訳+翻訳証明書の発行を依頼したら、見積もりで10万円に迫る勢い。
特に法的文書翻訳は、殊更の専門性と丁寧さが求められるので、高くつく傾向。

A3. 相見積もりなどで安く抑えられる可能性

複数業者に声をかけて、相見積もりをとり、交渉次第で安くすることもできる。
あとは、できる限り翻訳する内容を厳選して圧縮したり、
フリーランサーの利用+法人名義での翻訳証明書発行ができる場合は利用したり。
こうした対応を可能にするためにも、申請期限に余裕をもって準備するのが吉。

 

申請後の流れ、結果待ち

<今後更新予定>

Sapienza大学って?イタリアの大学を選んだ理由と実際の学生生活をレビュー

こんにちは

現在、イタリア・ローマのSapienza大学大学院で修士2回生をしている知春です。


ヨーロッパ含め、海外への正規留学を考えている方、多いのではないでしょうか。

その中でもSapienza大学を視野に入れている方に向けて、
どうしてイタリアのSapienza大学を留学先に選んだのか?
書いていこうと思います。

Sapienza大学への出願を考えている方の参考に
少しでもなれば幸いです!

なお、
Sapienza大学に限らない留学に関しては、
「海外に正規留学する。大学選定から受験までの有用情報公開」という記事に後日まとめる予定です。


また、
こちらは正規留学、つまり海外の大学に正規生として入学することを前提とした記事です。
交換留学や認定留学などの方は、もくじの「実際の学生生活はどうなのか」部分から読み始めることをおすすめします。

 

Sapienza大学をえらんだ理由

私が海外留学を決めたのは、
勉強したかった分野・性科学を専攻できる学術機関が日本になかったためでした。

海外に選択の幅を広げても、性科学を専攻できる大学は数えるほどしかなかったのですが、最終的にSapienzaを選んだ理由は、

 

  • 圧倒的な学費の安さ
  • ヨーロッパ就職の可能性拡大
  • 英語で履修が可能


でした。

 

 

▽学費の安さ

昨今、反移民の機運が高まるヨーロッパ各国では、
移民に対する学費無償化の取り下げや値上げが相次いでいます。

反移民の情勢を差し引いても、例えば留学で人気の英語圏は、
元々学費が年数百万円かかって当たり前のような世界です。

円安が続いている中で、その負担はさらに大きくなっています。

そんな中イタリアのSapienza大学大学院は、
私の通う医学部心理学科で年間約1600€、
現在の円安レートでも26万円弱となっています。

日本の国公立大学の平均学費、年間53万円の半額以下って…すごいですよね!

しかもこれは、あくまで最高額。
学費減免申請ISEEを行えばさらに安くなり、
加えて年間7000€、なんと100万円越えの奨学金をもらうこともできます。


手続きは面倒なのですが、外国人でも利用可能です。
詳しくは後日、別記事に書こうと思います。

 

 

▽ヨーロッパ就職の可能性拡大

私は7年以上連れ添っている、デンマーク人のパートナーがいます。
将来ヨーロッパに移住する選択肢を残すため、
修士の取得とヨーロッパの大学での学歴が有用だと考えました。

(特に高学歴社会の北ヨーロッパでは、就職の際、最低でも専門分野での修士を求められることが往々にしてあります)

デンマークは移民政策が特に厳しい国で、
外国人の場合、就労だけでなく前段階の就学にさえ、
壁が立ちはだかることがある国です。

私の専攻・心理と性科学の場合、
開講されていてもデンマーク語でのみ履修が可能であったり、
学費が高額であったり、
デンマーク人だったとしても高倍率の中受験しなければならなかったり…と、
デンマーク国内での就学はほぼ不可能な状態でした。

Sapienza大学は、イタリア内外で名の知れた歴史の長い大学で、
授業やインターンシップを通じてヨーロッパ内外の学生、研究者、学会に
コネクションを作ることができます。

さらに在学中も卒業後も、
イタリア滞在許可を得ればシェンゲン内での就職活動が物理的に容易になるため、
ヨーロッパ生活の基盤を築く良い足掛かりになるだろうと考えました。

 

 

▽英語での履修が可能

英語で履修できる環境があって当たり前、と思われるかもしれませんが、
さきほどのデンマークの例のように、
英語で履修できるコースを開講しなくなっている大学もヨーロッパにはあります。

理由は様々ですが、
移民ではなく自国民に特化して教育に投資したい、
アカデミックな世界の中の自国語や自国のプレゼンスを確保したい・高めたい、
そもそも英語で教鞭をとる人材を揃えられない…
などが考えられます。

かといって、
英語圏の留学は前述のとおり非常に高額になることも多く、
非英語圏で好きなことを英語で専攻できる…というのは、
実は恵まれた環境であると思います。

 

Sapienza大学では、心理学の他にも
物理学、経済学、考古学など、
様々な専攻が英語で開講されています。

また、英語の語学要件も、例えば心理学の場合だとIELTS5.5と、
帰国子女でなくても、今まで一度も留学したことがなくても
達成はあまり難しくないレベルに設定されています。

他の大学院の語学要件がIELTS6.5〜7.5ほどであることを考えると、
非常に易しいです。
(ただし、受かったからといって語学力が低いままでは
授業についていくことは難しくなります。
私は7.0でしたが、やはり心理の専門用語が並ぶと、割と苦労しました)

 

もちろん、イタリア語ができる場合は選択肢は増えますし、
語学学校に通うなどしてイタリア語力を高めてから
入学するという選択肢もあります。

 

▽そのほか

・2年間がっつり学べる(大学院の場合)

当たり前じゃないの?と思われるかもしれませんが、
これは実は国によります。

イギリスの場合、大学院は1年間のみの就学期間です。

よく言うと、すぐに修士号が取れますが、
デメリットは詰め込み勉強をしなきゃいけないことと
物事を深く学ぶのには適していない場合があること。

私が同時受験したオーストラリアの大学も、1年半の就学期間だったため
学びに2年間かけられることは決め手の一つでした。


・卒業後、就活ビザがもらえる

ヨーロッパでは就活ビザの付与は珍しくありませんが、
アメリカなどいくつかの国では、就活ビザがもらえない場所もあり、
卒業後の就活をその国で行うことを考えている場合は
外国人の場合、難しくなる可能性があります。

その点、イタリアは(ちゃんと事務方が仕事をしてくれれば)
就活ビザを卒業後にゲットし
安心して就活に専念することができます。

 

・文化が魅力的な国

イタリアは、世界屈指の観光大国。

街を歩けば遺跡がゴロゴロしていますし、
チェーンのリサイクルショップに入れば文化水準の高さを伺える
調度品がぞろり。

カフェに入った時、しょっちゅうあるデモやストに混ざったり遭遇した時、
郵便局窓口に文句を言いにいく時、友達の家に招待してもらう時、
バス停で言語が通じなくてもちょっとしたおしゃべりをする時…
そんな日常にも、激しく温かく、めちゃくちゃで笑ってしまうような
魅力が溢れています。

私の大好きなイタリア骨董品ハントについてはこちら↓

 

chiharu-sexology.hatenablog.com

 

 

実際の学生生活はどうなのか

▽入学してわかったこと

・教授の英語能力は個人差があり、理想的でない場合もある

ネイティブレベルの教授から、日常会話さえ怪しいレベルまで、
英語のコースであったとしても、言語的環境の質にばらつきがあることは否めません。

専門分野を流暢なコミュニケーションで教授してくれる先生だけではなく、
忍耐強く聞かないと内容がわからず、集中力がギブアップしそうになったり、
質問しても正確に答えてもらえなかったり、
スライドなどの資料が機械翻訳そのままで、解読に苦労して学習のロスが大きかったり
色々な苦労がある場合もあるのが現状です。

実際私は、英語でも日本語でも聞いたことがない心理学用語がスライドに出てきて
1時間も解明に費やしたものの、結局そんな概念は存在せず
イタリア語の用語を直訳したために起こったミスだった…ということがありました。

ドッと疲れました。笑

 

・キャンパスに当たり外れがある

私が通った大学院の心理学部棟は、
San Lorenzo地区という、治安と衛生環境の悪い地区にある簡素な建物でした。

言語学系などが集まる、お隣のMarco Poloキャンパスは
大きな図書館もあり、自習スペースも豊富で食堂までありましたが、
うちにあるのは小さな自習スペースのみ。

アクセスも悪く、メインキャンパスや他の学部の設備が羨ましかったです。

私はデンマークのWell-Being第一!心地良い場所作り!な
北欧的学習環境に慣れていたこともあり、設備投資の差に面食らいました。
(これはデンマークが特殊なのだと思いますが…)

ローマでのおすすめ自習スペースについてはこちら↓

 

chiharu-sexology.hatenablog.com

 

・大学の案内や情報伝達の不親切さ、事務機能の低さ

入学準備から大学院生活に至るまで、
大学院の事務方の機能不全さには驚きました。

まず、大学の公式HP、事務室、教授、先輩世代で言っていることが違う。
運営ポリシーや方法がコロコロ内部で変わっていることもあり、
入学・履修・試験・卒業のために何をいつまでにどうしたら良いのか?

一貫した情報が得られない上、ギリギリまで情報が出なかったり、
プッシュしたり根回ししたらあっけなく非正規ルートで突破できたりと、
まあシステマチックも何もないような大学運営でした。

海外で勉学に励む、というだけでもストレスフルなのに、
+アルファの面倒が多く、疲れました笑
Sapienzaをもじった”Pazienza(忍耐)”という身内ネタが存在するほど。

ただ、デンマークでも同じような点でそこそこ苦労したので
(履修登録3回目でやっとちゃんと登録された、等)
これはイタリアに限った話ではないかもしれません。


・そもそものイタリアという国のガバナンスの問題による苦労

イタリアという国では、予定、システム、規則、法律、
あらゆるシステマチックな枠組みは頼りになりません。

現場でフリースタイルで頑張ってなんとか生き抜いていく、そんな国です。

よく言えば、人情と情熱でなんとかなる国、
悪く言えば、コネと声のでかい人が最後には勝つ国だと思っています。

これが、命や生活に関わらない範囲でなら、まだ百歩譲って許せるかもしれませんが、
滞在許可証などになると話は別です。

私の周りで、スムーズに発給された人を見たことがないですし、
私自身も実際、2年間以上待って諸問題のせいで結局もらえていません。

これでは途中出入国や、他EU加盟国への旅行の時、
国内で警察に身分証をチェックされた時に、問題になりかねません。
騙し騙し生きていくことが負担になる人には…あまりおすすめしません。


・インターン先選びに苦労する

学部によっては、卒業前にインターンシップを修了する必要があります。

言わずもがな、イタリアではイタリア語のインターン先の方が
圧倒的に見つけやすいため、
言語ができないと見つけるのに苦労する可能性があります。

中国人のクラスメイトは、ローマ市内の中華系心療内科に
ポストを見つけていたため、
イタリア語ができなくても他言語ができることで可能性が開ける場合もあります。

 

・家探しが大変
ローマだけでなく、イタリアは家探しが鬼門。

勉学はおろか、宿なしにならないかに神経を使わなくてはいけないのは、堪えました。。。

家探しがどれだけ難しいか、どうしたら良いかは、過去記事に書いています↓

 

chiharu-sexology.hatenablog.com

 

・イタリアの国家資格がもらえる(予定)

入学前は知らなかったのですが、
心理学修士生は今年から、卒業とともに心理士の国家資格がもらえるように。

厳密には、今まで卒業後に受けさせられていた心理士国家資格の受験を
卒業要件の一部に組み込んだことで、
卒業と同時にもらえるようになりました。

理論上は、この国家資格を日本の公認心理師の受験資格にできる可能性があるため、
心理臨床をやりたい身としては非常に助かりました。

また、どうやらEU法により、他EU加盟国の心理士資格への読み替えも
簡単な手順ではないもののできるようになっているらしいので、
嬉しい誤算でした。

他学部はわからないのですが、EU圏内読み替えについては
おそらくおなじことが言えると思います。

・英語コースは国際色豊かで知見が広がる

英語で開講されているコースの場合、国際色が非常に豊かになることが多いようで、
私の場合は、ヨーロッパ以外ではイラン、トルコ、ウズベキスタン、南アフリカなど
デンマーク時代には会わなかった国籍の仲間とも会うことができました。

時事や歴史、文化への知識もたくさん授けてもらい
より身近に色々な国々を感じながら生きられるようになり、感謝しています。

また、同じ性心理学の発展に資する志を
ありとあらゆるバックグラウンドを持った仲間と共有できたのも
とても良い経験でした。

カオティックな日常を一緒にサバイブする分、
距離も縮まったように思います。

Sapienza大学をおすすめするか

結論、私は(めちゃめちゃ大変でしたが)おすすめします。
特に、イタリア・ヨーロッパに基盤を築きたい、
同じ額でも勉学にかけられる時間を最大化した留学をしたい場合はおすすめです。

 

 

いかがでしたでしょうか。

イタリア留学を迷っている方の参考になりましたら幸いです。

セクソロジストにはどうやったらなれるのか?資格は必要か?

こんにちは。

イタリア・ローマで臨床性心理学(Clinical Psychosexology)を専攻している知春です。
ローマ性科学研究所にもインターン生として所属していました。

私は2020年にNetflixのドラマシリーズ・セックスエデュケーションを通して
セクソロジストという職業を知って以来、セクソロジストになるため勉強をしています。
(経緯はInstagramで漫画として公開しています。見てくださったらうれしいです!)

今回は、セクソロジストという職業について、詳しく書いていきたいと思います。


セクソロジストとは

▽セクソロジストの定義

セクソロジストとは、人間の性の専門家のことです。
そしてこの肩書きに明確な定義はありません。


一般的には、多角的で科学的な性の知識と、それを裏付けるアカデミックキャリアを持ち、人々の性と健康のために働く人のことをいいます。

性の専門家、と言っても、対象は性行為としてのセックスだけに留まりません。

性への興味や性行動、性的欲求、性的アイデンティティ、恋愛、他者との関係性、
トラウマ、悩みや傷つき、ストレス、幸福や愛という心理的側面、

妊娠・出産など生殖、生殖機能、性感染症、性分化疾患、性別不合などの医学的側面、

ジェンダー学、家父長制などに起因するジェンダー関連諸問題、
生殖自己決定権、性的マイノリティの人権、性的搾取など社会学的側面

このすべてを網羅的に取り扱う、性の専門家のことを指します。

日本語訳の「性科学者」からもわかるとおり、「科学者」としての性格を持つ職業のため、
最低でも修士号を持っており、研究活動を行っていることを期待されることもある立場です。


▽セクソロジストになるには資格が必要か

セクソロジストは、例えば弁護士や医師のように
資格がなくてはなれない、もしくは名乗れない職業ではありません。

様々な学問的入口から目指すことができ、多様な人材が活躍できる可能性がある一方、
裏を返すと、誰でも名乗ろうと思えば名乗れてしまうという実態があります。

特に、セクソロジーが学術分野として今よりも確立した地位になかった時代には、
セクソロジストの質や背景は今以上に多様でした。

現在は、学術分野としての成熟と周知が進むに従い、じょじょに洗練化も進みつつあります。

なお、資格が必須でないとはいえ、
アメリカのAmerican Board of Sexologyや
ヨーロッパのEuropean Society for Sexual Medicineなど
独自にセクソロジスト資格認定を行っている組織は存在します。


実際のセクソロジストは、どんな人たちか

▽セクソロジストたちの一般像

現時点で「セクソロジスト」という資格認定をしている団体の認定要件をみると、
心理学や医学寄りであることがわかります。

実際、私が周囲や学会で見かけるセクソロジストの多くは、
心理師、心理学研究者・教授、医師、医学研究者・教授でした。

が、セクソロジー、つまり性科学は、比較的新しく、また学際的な学術分野です。
心理学、社会学、生物学、医学などにまたがっている存在のため、
どの学術分野を基盤にしていてもセクソロジストになれる可能性はあります。


▽セクソロジストたちのバックグラウンドと職務内容

セクソロジストの出身分野や職務内容は、多岐にわたります。

〇出身分野
・心理学…心理士など
・医学…産婦人科医、泌尿器科医、助産師、精神科医、ソーシャルワーカーなど
・社会学…社会学者など
・教育学…教師など

自分の専攻分野の専門知識だけでなく、
他分野の性に関わる知識を広く持っていることも期待されます。

〇職務内容
・カウンセリング、セラピー、認知行動療法(心理系や精神医学系の場合)
・性に関わる教育の実施
・性教育者の育成、アドバイザリー
・性科学研究と発表
・政策提言、啓発運動
・本の執筆、セミナーの開催
など


職務内容は人によりますが、研究活動、教育活動、臨床の3本柱を行っている印象です。

私の周囲のセクソロジストたち

ここでは、私が実際に会ったセクソロジストの方々をご紹介します。

私の専攻が心理ということもあり、学内外でつながっているセクソロジストの多くは
基本的に心理の博士号を持っている方々です。

普段は、各自研究活動、医師などに向けた性心理教育、セックスカウンセリングなどを行っています。

心理以外の方々には、
・助産師としてユースクリニックを開設したセクソロジスト
・メディア学で修士を取得後、社会人を経て、性教育界に転向したセクソロジスト
などがおられます。

周囲の年代のボリュームゾーンは30代~50代です。

余談ですが、
チェコ出身のクラスメイトに、どうして性科学を専攻しようと思ったのか聞いたところ
「母国のセクソロジストのうそっぱちに我慢ならなかったから」と言われたことが
ありました。

聞けば、母国のトップレベルで有名なセクソロジストは
年齢が高く地位や影響力はあるものの、
科学性のない独自理論や思想を展開しており、対抗心を抱いたということでした。

また、デンマークでは近年、テレビ番組やラジオ番組を持ち、
国内外で講義や独自アプローチによるセラピーを行っていた
影響力ある”セクソロジスト”が、
その知見や学術的バックグラウンドの欠如、過去の講義内容を疑問視され、
訴えを起こされるという事件がありました。

他にも、資質がないにも関わらず
”セクソロジスト”を謳い集客をし、クライアントに性加害を行っている人々が
アメリカ、ヨーロッパ共に存在するという許し難い事象も存在します。

こうした、質の疑われる自称セクソロジストが存在することも事実で、
こうした有象無象を排除し、成り立っていくためにも
まだまだ成長・改善する余地がある世界であるとも言えます。



結局、セクソロジストになるにはどうすればいいのか

結論、こうでなくてはならないという一本道はありませんが、
私から見える範囲での答えをひとつ出すと、以下のようなキャリアパスが描けます。

1.心理学で学士号を取得(日本国内でも可)
2.心理学または性心理学で修士号を取得(性心理学を専攻する場合は海外)
3.性心理学で博士号(研究テーマを性心理学にできれば、国内の心理専攻でも可)
4.研究員や大学教員として研究活動、教育活動を行いながら、
  カウンセラーなどとして臨床も行う
  (この時点で、この3本柱を続けている限りはセクソロジストと呼べる)
5.任意の組織からセクソロジストとしての認定を受ける
  (必須ではないが、”業界”に足を踏み入れ、コミュニティに参画していくには有効。
    認定基準は各組織によって異なる。)

繰り返しになりますが、セクソロジストには明確な定義が存在しません。

医学や社会学を専門にしている方でも、その分野の形でのセクソロジストの成り方があると思います。

ただ、やはり人間のこころ、生き方、人生という意味での、そのひとの「性」に向き合う専門家になるために、心理学を基軸にしていくことは重要であると感じています。

 

いかがでしたでしょうか。

日本語だけでなく、英語でも情報が限られているセクソロジストという職業が
なんとなく少し身近に感じられるようになっていただけたなら幸いです。

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